2008年01月29日

田手沼の坂道、バルパライソの夕日

道幅1.5mほどの市道を下った所にその家はあった。
昭和44年に竣工した一軒家は当時の流行でもあった
圧縮パルプによって建てられた家である。

市道から渡された回廊は、およそ3mほど延び、アリゾナ杉で
建造された廊下はギシギシと音を立てるがいたって元気だ。
両脇が絶壁となっており、常人の歩行では心持たない。
崖から見下ろすのは太平洋。まるでバルパライソの夕日のような
照り返しに赤く染められ、しかしとても風情の在る廊下だ。

見下ろすその家には...そう、1頭の「龍」が棲んでいた。
「臥龍」と称したその「龍」はいまは未だ深い眠りの中。
彼が目覚めるのはあと4000年後のことである。
posted by ozzy3635 at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 私小説